「作るのも大変だし、誰も見ないから、利用規約は無料テンプレートを少し変えて用意しておけば問題ない。」
そんなふうに考えている方も少なくないようです。
確かに、インターネット上に無数に存在するテンプレートを使えば、短時間でそれらしい規約を整えることができます。
しかし、”それらしい”だけでは、サービスに合わない利用規約となり、トラブルを未然に防ぐことはできず、かえって運営リスクを高めてしまう可能性があるのです。
この記事では、無料テンプレートをそのまま使うリスクと、なぜ自分のサービスに合わせた規約作成が重要なのかについて紹介します。
利用規約の無料テンプレートとは?
インターネット上には、誰でも自由にダウンロードできる利用規約のひな形が多数存在しています。
こうしたテンプレートを使えば、ゼロから自作する手間をかけずに、すぐに「利用規約を設置した体裁」を整えることができます。
しかしこれらはあくまで汎用型の雛形であり、あなたのサービス内容に合うように作成されているものではない以上、あなたのサービスに必要なリスク対策が盛り込まれているとは限りません。
そのことが、後々大きな問題を引き起こす可能性をはらんでいます。
無料テンプレートのリスク
サービスに合っていないリスク
無料テンプレートは、あらゆる種類のサービスに共通しそうな一般的な内容しか記載されていません。
たとえば、
- ユーザーがコンテンツを投稿できるサービス
- サブスクリプション型の課金サービス
- GoogleログインやSNSログインを利用するサービス
など、それぞれに特有のリスクや注意点が存在しますが、テンプレートではこうした要素を正確に反映することができません。
サービスの実態と利用規約が食い違っていると、万一のトラブル時に運営者が不利な立場に立たされる可能性があります。
最新法令に対応していないリスク
近年、利用規約に関する法制度も大きく変わっています。
2020年には、民法に「定型約款」のルールが導入され、利用規約の作成・変更に関する要件が求められるようになりました。さらに、消費者契約法や個人情報保護法の改正も続いています。
古いテンプレートや簡易的な生成ツールでは、こうした最新の法改正に十分対応できていないことが多く、知らない間に違法リスクを抱えてしまう危険性があります。
責任制限が不十分なリスク
利用規約には、運営者の責任範囲を明確に定め、過大な損害賠償リスクを回避する条項(免責条項・責任制限条項)が不可欠です。
しかし、無料テンプレートではこうした重要な部分が簡略化されていたり、適切に機能していないケースが少なくありません。
その結果、サービス障害や利用者間トラブルが発生した際に、本来負う必要のない責任まで追及されるリスクが高まります。
信頼感を損なうリスク
ユーザーはサービスの利用規約を意外に見ているものですし、気になった内容をSNSに投稿することで、ユーザーではない者でもその内容に触れる場合があります。
このとき、規約が雑に作られていたり、明らかにサービス内容と合っていなかったりすると、「このサービスは信用できるのか?」という不安を抱かれやすくなります。
結果として、ユーザーの離脱や悪い口コミに繋がり、サービスの成長に悪影響を及ぼすおそれもあるのです。
サービスごとに最適な規約を作る重要性
サービスごとにリスクも事情も異なります。
無料サービスか有料サービスか、BtoCかBtoBか、投稿型か閲覧型か等、様々な要素が影響します。
これらによって、盛り込むべき条項や注意点はまったく異なります。
テンプレートの流用では、こうした個別事情を踏まえたリスク対策はできません。
自分のサービスに合わせて最適化された利用規約を用意することこそが、トラブル防止と信頼性向上のカギになります。
専門家に依頼するメリット
自分で規約を整えることも可能ですが、専門家に依頼することで、より確実で安全なサービス運営が可能になります。
まず、専門家はサービス内容を丁寧にヒアリングしたうえで、ビジネスモデルやターゲットユーザーに最適化した利用規約をオーダーメイドで作成します。
無料テンプレートのような汎用的なものではなく、あなたのサービス特有のリスクをカバーするため、トラブル回避効果が格段に高まります。
また、民法、消費者契約法、個人情報保護法などの最新法令に対応した内容で作成できるため、知らずに違法状態に陥るリスクも防ぐことができます。
このように、専門家に依頼することで、単に「規約を置いただけ」ではなく、サービスを本当に守るための法的な備えを手に入れることができるのです。
自分のサービスを守るために、今できること
無料テンプレートは手軽ですが、サービスのリスクや信頼性を本当に守るには力不足です。
小さな手間と投資で、将来のトラブルや信用失墜を防ぐことができます。
あなたのサービスに合った利用規約を整え、安心してサービス運営を続けるためにも、専門家によるオーダーメイド作成をぜひご検討ください。